ISO9001の内部監査を実施後には、企業に対して、例外なく監査報告書の提出が義務付けられています。
監査報告書を作成する目的は、内部監査の結果を経営者や責任者に報告するだけではなく、監査の対象となった部門に関係する人々に改善を求めるためでもあります。
ISO9001の規格でも、内部監査の結果の報告と記録の維持が求められています。
監査報告書の作成は、新人の監査員にとってはきわめて難しい作業でしょう。監査報告書の作成に慣れないうちは、単なる数値による結果報告になってしまいがちです。
ISO9001の内部監査で報告するべき点の例としては、不具合、不適合の内容はもちろん、現状では問題がなくても、将来的に不適合が出てくる可能性のある部分と改善方法なども挙げられます。
また、不具合だけではなく、当該部門の長所も記録し、他の部門にも展開することが可能かどうか考察することも企業にとってプラスとなります。
企業の経営者や管理者は、個々の細かい不適合の内容よりも、企業全体の大まかな全体像をつかみ、会社の経営状況を把握したいと考えているので、監査員には、現状の問題点に加えて、将来の見通しを考察する能力も問われることになります。
経営者にとって、小さく、すぐに改善可能な不適合性よりも、全体を通して根本的に見直すべき箇所こそが不可欠な要素なのではないでしょうか。
監査報告書を作成する際には、経営者や責任者の視点で、企業が抱えている問題について的確に伝えられるよう熟慮しながら作成することが大切です。